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本日は賃金勘定について書きたいと思います。
工業簿記では賃金勘定と給料勘定を区別することが
よくあります。
賃金とは工場で働く工員の給与のことをいい、
給料とは役員や本社や営業所の職員、
工場の事務職員などの給与のことをいいます。
また、賃金と給料を一緒にまとめて、
賃金給料勘定を用いることもあります。
賃金の支払いをしたら次のような仕訳をします。
(例)賃金10,000円を現金で支払った。
(借) | 賃 金 | 10,000 | (貸) | 現 金 | 10,000 | ||||||
賃 金 | |
現 金 10,000 |
現 金 | |
○○○ ××× | 賃 金 10,000 |
ここまで大丈夫でしょうか?
もし、仕訳を勘定に転記することができないときは必ずできるようにしてしまいましょう!
そのときにはこちらを見てください!
→→→元帳の記入とT字勘定(1)〜元帳の記入とT字勘定(12)
この賃金勘定を次のような図にすることもあります。
現 金 10,000 |
工業簿記で大切なのは仕訳だけを覚えることではありません。
T字勘定に記入することや図に描くことが大切です。
必ず自分で紙に書いてください。
製品を製造するためには、材料を用いるほかに労働力を用いなければなりません。
そのほかにも電力をもちいたり、機械を用いたりするわけです。
賃金勘定はこの労働力についての勘定でもあります。
どの製品を作るためにどれだけの労働力を消費したのかを仕訳であらわします。
具体的な金額は 時給×時間 などで計算できます。
消費した労働力のうち、
どの製品を作るために消費したのかが把握できるものは仕掛品勘定を用いて仕訳をし、
把握できないものは製造間接費勘定を用いて仕訳をします。
(例)A製品を製造するためにかかった賃金は8,000円であった。
(借) | 仕掛品 | 8,000 | (貸) | 賃 金 | 8,000 | ||||||
どの製品を作るために賃金を消費したのかがわかる場合には仕掛品勘定を用います。
ここでは「A製品を製造するために」と書いてあるので、仕掛品勘定にしたのです。
この仕訳をT字勘定に記入します。
賃 金 | |
現 金 10,000 | 仕掛品 8,000 |
仕掛品 | |
賃 金 8,000 |
また、これは次のような図にすることもあります。
現 金 10,000 |
|
賃 金 8,000 |
(例)修繕のためにかかった賃金は4,000円だった。
(借) | 製造間接費 | 4,000 | (貸) | 賃 金 | 4,000 | ||||||
どの製品を作るために賃金を消費したのかがわからない場合には
製造間接費勘定を用います。
ここでは「修繕のために」と書いてあるので、
どの製品を作るためなのかがわかりません。
そこで、製造間接費勘定にしたのです。
この仕訳をT字勘定に記入します。
賃 金 | |
現 金 10,000 |
仕 掛 品 8,000 製造間接費4,000 |
仕掛品 | |
賃 金 8,000 |
製造間接費 | |
賃 金 4,000 |
また、これは次のような図にすることもあります。
|
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賃 金 8,000 |
賃 金 4,000 |
借方の金額と貸方の金額が一致しません。
なぜかというと働いた時間分をその月にすべて支払うことができないからです。
※工業簿記では原価計算が1ヶ月ごとで、
勘定の記入が1ヶ月ごとに繰り越されることが多いので「その月」と書いています。
賃金の消費分は、その月に働いた分ですが、支払ったのは全部ではありません。
例えば、15日締めの25日払いなどのように決まっていて、
16日分からは翌月の25日に支払うことがあるわけです。
そこで、この分が借方と貸方の差額になります。
賃金勘定の借方と貸方の差額を次月繰越としたいと思います。
賃 金 | |
現 金 10,000 次月繰越 2,000 |
仕 掛 品 8,000 製造間接費4,000 |
仕掛品 | |
賃 金 8,000 |
製造間接費 | |
賃 金 4,000 |
また、これは次のような図にすることもあります。
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賃 金 8,000 |
賃 金 4,000 |
本日も最後までご覧いただきましてありがとうございます。