なぜ左側のことを借方、右側のことを貸方というのか?
ということを書いていきたいと思います。
かつて勘定は人名勘定として用いられ、
そこに債権債務が記録されていました。
鈴木さんという人と佐藤さんという人を人名勘定であらわすと次のようになります。
鈴 木 | |
|
|
佐 藤 | |
|
|
そして、次のような取引があると
仕訳をした上でこの二つの勘定に記入するわけです。
(現金勘定は省略します。)
(1)鈴木さんに現金¥1,000を貸した。
(2)佐藤さんから現金¥2,000を借りた。
〔仕訳〕
(1)
(借) | 鈴 木 | 1,000 | (貸) | 現 金 | 1,000 | ||||||
(2)
(借) | 現 金 | 2,000 | (貸) | 佐 藤 | 2,000 | ||||||
〔勘定への転記〕
鈴 木 | |
1,000 |
|
佐 藤 | |
2,000 |
|
上の勘定をよーく見てください!
鈴木さんも佐藤さんも人なんです。
名前のところが頭で手を広げて立ってます。
鈴木という勘定の佐藤に1,000という金額が記入されています。
これを今までは
¥1,000貸している
と考えていたと思います。
発想を転換しましょう!
¥1,000借りている
相手の立場から言っているのですね。
佐藤という勘定の右側に1,000という金額が記入されています。
これを今までは
¥1,000借りている
と考えていたと思います。
ここでも発想を転換しましょう!
¥1,000貸している
ここでも相手の立場から言っているのですね。
このようにかつては人名勘定で債権債務を処理し、
相手の立場から見て、借りているのか、貸しているのかを記録していた。
これが、借方、貸方という言葉を使うようになった理由です。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございます。