いつも「簿記2級 工業簿記の考え方」を応援していただいてありがとうございます。
個別原価計算と総合原価計算についてです。
個別原価計算は主に受注生産を行う製造業で用いられますが、
総合原価計算は主に規格化された製品を見込生産する製造業で
用いられます。
完成品原価と月末仕掛品原価に分ける考え方は次のようになります。
製造指図書ごとに完成品と月末仕掛品とに分類する。
製造指図書 1 原価集計額 100,000円
受注数量100個 完成量100個⇒完成
製造指図書 2 原価集計額 120,000円
受注数量150個 完成量150個⇒完成
製造指図書 3 原価集計額 150,000円
受注数量180個 完成量180個⇒完成
製造指図書 4 原価集計額 110,000円
受注数量125個 完成量124個⇒仕掛中
製造指図書 5 原価集計額 140,000円
受注数量130個 完成量125個⇒仕掛中
製造指図書 6 原価集計額 180,000円
受注数量250個 完成量250個⇒完成
製造指図書 7 原価集計額 80,000円
受注数量100個 完成量70個⇒仕掛中
製造指図書 8 原価集計額 90,000円
受注数量110個 完成量110個⇒完成
製造指図書 9 原価集計額 60,000円
受注数量150個 完成量60個⇒仕掛中
製造指図書10 原価集計額 20,000円
受注数量80個 完成量15個⇒仕掛中
製造指図書に指示された数量に1個でも足りないと
その製造指図書全体が未完成だとみなされ仕掛品となる。
完成した製造指図書の原価の合計=640,000円⇒完成品原価
仕掛中の製造指図書の原価の合計=410,000円⇒月末仕掛品原価
【総合原価計算】
当月の完成品数量1,000個、月末仕掛品数量500個
当月にかかった原価の総額を完成品原価と月末仕掛品原価に分けます。
材料が最初に全て投入され、それを加工するという作業をしたとしましょう。
材料費が600,000円、加工費が400,000円かかり、
月末での作業の進行程度がちょうど半分だとすると
材料費の金額は次のように分けられるはずです。
完成品の材料費 600,000÷1,500×1,000=400,000
月末仕掛品の材料費 600,000÷1,500× 500=200,000
完成品の加工費 400,000÷1,250×1,000=320,000
月末仕掛品の加工費 400,000÷1,250× 250= 80,000
完成品原価の合計 400,000+320,000=720,000(円)
月末仕掛品原価の合計 200,000+ 80,000=280,000(円)
※1 説明の都合で個別原価計算の例とは異なる数量で考えています。
※2 個別原価計算では顧客の注文に応じて、規格などを変えて生
産することを想定しています。
※3 総合原価計算では同一の規格の製品を製造していることを想
定しています。
個別原価計算の完成品原価と仕掛品原価の計算は
完成した製造指図書の原価と未完成の製造指図書の原価の
単純な合計で求めます。
それに対して、
総合原価計算の完成品原価と月末仕掛品原価の計算は
原価のかかり具合に応じて按分する(割合の計算で求める)ことになります。
本日も「簿記2級 工業簿記の考え方」をご覧いただきまして
ありがとうございます。