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本日は基準操業度についてです。
製造間接費の実際配賦に欠陥があることから、
製造間接費の配賦を予定配賦によって行うわけです。
企業が予定する操業水準のもとで発生すると考えられる製造間接費の金額を
その操業水準で割ることによって予定配賦率が求められます。
工場の機械作業時間を例にとって考えてみます。
例えば、工場の機械をを1年間でのべ18,000時間稼動させるとしましょう!
そのときの製造間接費が14,580,000円かかるとすると
製造間接費は 14,580,000÷18,000=810 で
1時間あたり810円と計算できることになります。
この1時間あたりの金額を毎月の実際の機械作業時間に掛け算すると
製造間接費の予定配賦額が計算できることになります。
ところで、この企業が予定する操業水準(以下、基準操業度と呼びます。)は、
どのように考えて求めるものでしょうか?
例えば、ある工場で機械10台を1日に8時間稼動させるとしましょう。
そして、この工場は年間で250日操業をします。
そうすると、年間の機械の稼働時間は
8時間×10台×250日=20,000時間と計算されます。
このように考えて計算された年間の操業水準を理論的生産能力といいます。
しかし、この時間数をもとに計算するのは現実的ではありません。
なぜならば、機械の故障などもあって、その修繕にかかる時間もあるはずです。
そこで、このような原因にもとづいく時間を見積もって、
その時間はのぞいて考えます。
年間2,000時間(←ちょっと多いかな?)避けることができない原因で
機械が止まるとすると、
この時間を除きます。
20,000時間−2,000時間=18,000時間
このように理論的生産能力からどうしても止まってしまう時間を除いたものを
実際的生産能力と呼びます。
ただし、実際的生産能力を用いただけでよいかというと
そうではない場合もあります。
作ればいいというものでもないからです。
売れなければ在庫がどんどん貯まっていってしまいます。
そこで、販売可能性を考えていくことになります。
来年は実際的生産能力の80%ぐらいで生産するとちょうどよいというように
1年間の販売可能性を考えて決める操業水準を期待実際操業度といいます。
また、数年間の景気変動を考え、数年間の販売可能性を考えて決める平均的な操業水
準を平均操業度といいます。
簿記2級の工業簿記の問題では、過去に実際的生産能力と期待実際操業度という用語
が問題文中に出てきたことがあります。
1年間の操業水準のことなんだということさえわかれば、解答を求められたのですが、
びっくりしてしまった方も多かったことでしょう。
基準操業度を実際的生産能力にするのか、期待実際操業度にするのか、平均操業度
にするのかは企業によって異なります。
※販売可能性を考慮していない操業水準には能力という言葉をつけて、
販売可能性を考慮している操業水準には操業度という言葉をつけているようです。
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